トーヨータイヤがニュルの「NLSシリーズ」で5年越しのシリーズチャンピオン獲得!「PROXES Slicks」で更なる高みを目指し新たな挑戦が始まる

トーヨータイヤは2024シーズンのモータースポーツ活動において新しい歴史を創った。それは“世界で最も過酷なコース”ともいわれる、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで開催される「NLS耐久シリーズ」において「TOYO TIRES with Ring Racing(#170)」が見事にSP10クラ…

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  • Michael Tischner選手(左)、木下 隆之選手(中央)、Heiko Tönges選手(右)
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トーヨータイヤは2024シーズンのモータースポーツ活動において新しい歴史を創った。それは“世界で最も過酷なコース”ともいわれる、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催される「NLSシリーズ」において「TOYO TIRES with Ring Racing(#170)」が見事にSP10クラスでのシリーズチャンピオンを獲得したのだ。

トーヨータイヤはRing Racingとタッグを組んで5年目で、供給している「PROXES Slicks(ニュルブルクリンクスペック)」をずっとこのニュルブルクリンクの地で鍛え抜いてきた。1年1年着実に成果を上げるなか、満を持して勝負をかけた2024シーズンは、ニュルブルクリンク24時間耐久レースに加え、NLSシリーズへのフル参戦を決定。

そして目標の1つである“シリーズチャンピオン獲得”をNLS5の1-2フィニッシュで決め、最終戦を残して戴冠を果たした。そこで、2024シーズンを通した参戦記とタイヤ開発による性能向上に迫っていく。

4回の優勝、2回の1-2フィニッシュ、史上最短で終了したニュル24時間耐久レース…激動の2024シーズンを振り返る

今シーズンも参戦体制は変わらずTOYO TIRES with Ring Racingの参戦は2台体制、マシンはトヨタ『GRスープラ GT4 EVO』(#170、#171)だ。そしてトーヨータイヤ陣営に加入して2年目、プロクセスアンバサダーを務め、日本人のニュル最多出場記録保持者であり、ニュルマイスターの木下隆之選手が#171をドライブする。

シリーズは4月にまさかの2週連続ダブルヘッダーでの開幕。NLS1-2と「ADAC 24h Nürburgring Qualifiers」(ニュル24時間予選レース)の第1レース、第2レースと計4戦が開催されたのだ。

そこで昨シーズンから徐々に力をつけていたTOYO TIRES with Ring Racingがいきなり快進撃をみせる。シリーズ初戦のNLS1では#170が優勝、木下選手の駆る#171がNLS2で2位を獲得、さらにニュル24時間予選レースの第1レースは1-2フィニッシュ、第2レースでは#171がまたしても2位でチェッカーを受け、開幕4連戦を輝かしいリザルトで終えた。

続いて5月に開催されたのがシーズンの天王山でもある、「ADAC RAVENOL 24h Nürburgring」(ニュルブルクリンク 24時間耐久レース)。年に1度、世界各国から熱狂的なファンが集まることでも有名なニュル24時間耐久レースだが、今年はまさかの展開を迎えることとなった。

16時にスタートしたが、コースに立ち込める霧によって約8時間の地点でレースが中断。主催者は天候回復を待ったものの、回復することなく8時間でレースが終了。序盤のアクシデントから追い上げていたトーヨータイヤ陣営だったが、中断によって#171が5位、#170が6位でフィニッシュ。史上最短のニュル24時間レースとしても記録になるほど、あまりにあっけない幕切れであった。

続く6月に開催されたNLS3では、ニュル24時間耐久レースの悔しさを取り戻すべく、またしても大活躍を見せる。レースを圧倒的なペースで支配した#170優勝、予選6位スタートから木下選手の猛追によって#1713位表彰台を見事に獲得した。

約2ヶ月のサマーブレイクを経て、8月に開催されたNLS4はライバルの状況次第でチャンピオンもかかった1戦。しかしレースウィークのアクシデントを含めて、唯一苦しんだ1戦となってしまった。突然振り始めた雨によって2台ともレーシングインシデントに巻き込まれてしまう。最終的にレース中のピットのトラブルもあり#170は4位、#171はトラブルから最後尾のスタートで6位まで追い上げてフィニッシュを果たす。

その後10月に開催されたNLS5では、上述の通りアンドレアス・ギュルデン選手/ティム・サンドラー選手/マルク・ヘネリッチ選手が見事にNLS耐久シリーズ・SP10クラス・シリーズチャンピオンを獲得した。レースの結果も#1701位#1712位2024シーズン2回目の1-2フィニッシュでレースが終了。5年間の努力が報われ、最高のレース展開でチャンピオンという目標を達成したのだ。

シリーズ最終戦となるNLS6。NLS5でチャンピオンを獲得したTOYO TIRES with Ring Racingだが、木下選手のシリーズ初優勝にも期待がかかった1戦。残念ながら11月開催による予想外の冷え込みで、各チームがタイヤのコンディションに苦しむ展開に。苦しい状況下でも確実に結果を残し、#1713位表彰台でフィニッシュを果たし、2024シリーズを好成績で締め括った。

1年間を通して進化し続けた「PROXES Slicks」、強力なグリップを武器にシリーズを席巻

1-2フィニッシュでのチャンピオン獲得という輝かしいリザルトで終了した2024シーズンの戦いについて、TOYO TIRES with Ring Racingの監督を務める、ウヴェ・クリーン氏に振り返っていただいた。

「2024シーズンは初めての2台体制でのフル参戦ということで、我々もシーズン当初からとても楽しみにしていました。開幕4連戦での2回の優勝と1-2フィニッシュは、まさに速さと強さが間違いないと確認できるスタートだったと思っています。しかしニュル24時間耐久レースでは天候の変化にも翻弄され、追い上げるタイミングを失った私達にとっては厳しいレースとなってしまいました。絶対に次はリベンジして、いい成績を残せるように準備を進めていくつもりです」

「また、木下選手もシーズン後半戦にいくにつれて、さらにタイムを伸ばしてチームの成績にも貢献してくれました。時にはエースドライバーのアンディと遜色のない走りを見せてくれたこともあり、驚きつつポテンシャルは計り知れないなと感じています。今後のさらなる進化にも期待が高まりますね。」

「今シーズンの速さの要因として、間違いなくタイヤの進化が我々の走りを支えてくれていたと感じます。開発の課題は、長所である初期グリップの強さ、そしてそれを持続させることでした。簡単なハードルではなかったと思うのですが、ケース剛性の見直しや構造変更、コンパウンドのチューニングなど多岐にわたるアップデートのお陰で、PROXES Slicksは非常に強いタイヤに仕上がったと自信を持っていえます」

「2024シーズンは、私達にとって非常に多くの成果を得られたシーズンとなりました。しかし我々にはニュル24時間耐久レースでの優勝、という課題が残っています。念願の目標を達成すべくまたチャレンジャーとしての挑戦がはじまります。ぜひご期待ください!」

参戦当初の目標であった “ニュル24時間耐久レースの優勝”に向けて走り続ける、タイヤ開発も新たなステップへと進化

SP10クラスのタイヤ開発については、シリーズチャンピオン獲得という成果をもって一段落することに。ここから先はどうするのかというと、最終目標である最速のSP9クラスチャンピオンに向けたタイヤ開発だ。

しかし群雄割拠のGT-3マシンが参戦するSP9クラスにいきなり挑むのはハードルが高いため、2025シーズンは近いカテゴリであるSP PROクラスポルシェ911 GT3 Cup MR(991.2)で参戦する。このクラスでまずはタイヤ開発を進めたうえで、いよいよその先にはSP9クラスへの挑戦が待ち受けている。

ここまでご覧いただいた読者であればすでにおわかりになると思うが、SP10クラスでのシリーズチャンピオン獲得まで5年ということを考えても、いかにそのハードルが高い挑戦となるのかはいうまでもないだろう。チームとしてもワークス体制のマシン、さらに激戦化するタイヤ戦争を勝ち抜かなければその頂点にたどりつくことはできない。

しかし不可能を可能にしてきたトーヨータイヤであれば、きっと近い将来にその目標を夢ではなく現実として我々に示してくれるだろう。まずは日本のタイヤメーカーが日本のマシンで日本人ドライバーとニュル24時間耐久レースを制覇…ということに期待が高まるばかり。そして2025年シーズンもNLS耐久シリーズの前半戦~ニュル24時間耐久レースへの参戦が、去る東京オートサロン2025で発表された。今年もその戦いからきっと目が離せなくなること間違いなしだ。

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《取材協力:トーヨータイヤ》
《後藤竜甫》

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